安倍首相は、4月29日に、日本の首相として初めてアメリカ合衆国議会の上下両院の合同会議で演説を行いました。その演説内容については、このブログが国際政治の広報や批評を目的とするものではないのでここでは触れませんが、アメリカの議会で日本の総理大臣が45分以上に渡って英語で演説をしたことは歴史的な出来事といえるでしょう。アメリカを代表する議員の方々が10回以上のスタンディングオベーションを行なったのは、印象に残りました。実際に、外国の方々を前にして、どのような内容であれ英語でプレゼンテーションをすることは、見ている以上に大変なことです。事前に原稿を何度も読み返し重要な部分は暗記、表現には強弱をいれて笑顔を絶やさない。発音が難しい単語は繰り返して練習をし、自分自身が納得できるまで万全の用意をしても、人前で百パーセントの力を出すことは難しいものです。後生まで映像が残る一発勝負の世界は配信なので、演説慣れした総理大臣といえども緊張はあったと思います。安倍首相は、一国の代表者なので、当然この原稿は完璧な内容で日本政府の官僚によって作られたでしょうし、日本人翻訳者が正確に翻訳してさらにアメリカ知識人が推敲し、英語発話のプロが付いて発音を指導、さらにアメリカ人のプレゼンテーション・コーデイネーターが演説の時の動作や立ち位置まで完全指導したと思います。ひょっとしたら、アメリカ議会と同じセットまで作って予行演習を行ったかもしれません。しかし、どのようであれ、英語の勉強を長期間行ってないと、英語での演説はできません。そういう意味で、将来、政治家を目指す人は普段から英語に親しむ必要があります。