東京大学では、大学入試に先行して院試(大学院入試)の英語試験は、ほとんどの学部でTOEFL-IBTが採用されることが決定しました。これに追随して、京都大学、大阪大学も、将来TOEFL-IBTを英語試験として採用する可能性があります。また、東京大学の学士課程も出願条件としてTOEFL-IBTのスコア利用が検討されています。大学がこれらの実用型英語試験を取り入れて受験条件とするひとつの理由は、大学の国際ランクでの格付けにあります。日本の大学で現在世界100位に入る大学は、前述の3大学に限定されています。2014年の日本の総理大臣談話として、今後10以上の大学を世界大学100位にランクインさせたいというアナウンスがありました。その候補に挙がっているのが東北大学、九州大学、北海道大学、名古屋大学、一橋大学などで何れも優秀な大学です。世界大学ランクの上位に位置する多くの大学は、ハーバード大学、MIT、ケンブリッジ大学、ロンドン大学群カレッジ、UBCなど英語圏の大学です。これらの大学は各国を代表する名門校ですが、世界の大学ランク格付けは大学院の研究論文の引用数に左右される場合が多いため、この論文を英語で発表している大学の評価が高くなりやすい傾向があります。英語による学問に限らず、英語の歌、英語の書籍、英語のインターネット情報は「英語という言語の優位性」で何れのマーケットでもシエアを高めることができています。日本の大学も高度な英語能力を持った生徒を養成し、大学の学問資源の英語による国際化を計ることが不可欠になりました。これらの影響もあって、大学受験での実用英語検定の利用が促進されている訳です。同時に、日本の英語教育の変革も急速に進んでいます。今年は、TEAPティープ英語検定が出現しました。このテストは上智大学と英検協会が「高校生のアカデミック英語力を判定するテスト」としてCEFR基準によって企画されました。関西大学、中央大学の一部学部受験でも取り入れられる予定ですが、英語系や国際系と称される大学はこの英語検定を大学出願エントリー条件の一つとすることが予想されています。
月別アーカイブ: 2014年4月
高校生に求められる英語力
今回は、高校生留学の見地からではなく、日本の高校生が国際時代と称される現代に求められる英語力について考えてみたいと思います。日本の学生の英語検定として最も普及している「英検」を基準として考えると、一般の高校生は、最低準2級は到達したいレベルです。大学受験のセンター試験の英語レベルを考えてこのテストで高い点数を目指すためには、2級を難なく克服して、準1級の取得を試みておくべきでしょう。準1級レベルに合格できた高校生は、長文読解、ライティング、英会話の発話も上手にこなせるので、国立大学二次試験でも高得点を期待できます。英検準1級レベルであれば、高校留学に参加しても安心して海外の生活を送れます。高校生で英検準1級を持っている生徒は全国で5千人程度と少なめですが、稀少であるからこそ価値がある資格なので、この検定に高校年代に合格するために遅くとも中学2年時点から家庭教師、外国人講師、英会話学校などに通って英語の特別学習を充実することを推奨します。注意することは、語彙文法学習を主に教えている塾で学ぶのではなく、「実用的な英語を反射的に運用できる」先生のもとで学習を行うのが理想です。今後はリスニングにも重点がおかれるために、発音が正確で、リスニング指導や長文読解の指導に長けた先生が最適です。現在、日本の大学の入試制度は変革期にあり、特に英語試験が実用的なテストへと大きく変貌しようとしています。この「実用的な試験」とは、TOEFL-IBTやIELTSを示すものです。難関といわれる上位大学から TOEFL-IBTそのものか、このテストの本質に近い「4スキル型」での英語入試が主流になることは間違いありません。次回はもう少し詳しくこの話を続けたいと思います。
英語検定での英語力比較
この高校生留学ブログをご覧頂いた生徒さんから、先日、各英語検定試験の英語力評価比較インフォメーションが欲しい、とのメールを頂きましたので、今回はその参考となる比較表をもとに英語能力レベルの説明を行います。以下に示すのがエース外語学院の調査提供による各英語検定試験の点数の比較と、受験者の英会話力判定です。
TOEICテスト、TOEFL-IBT、英検を一線上で比較するのは各検定試験のスタイルが異なることから簡単ではありませんが、皆様の今後の学習の参考として頂くために記載しました。通常のTOEICテストは、リスニングとリーディングの2セクション990点満点評価すので、TOEFL-IBTテストの4スキル型テストとはテスト形式が異なるため、スコアの相関関係はあくまで比較の参考とされるものです。近年はこれらのテストに加えて、ケンブリッジ大学が開発して英国教育省委員会、豪州教育省が開催するIELTS アイエルツが英語検定として急激に普及してきました。また高校生では、GTECやTEAPテストなど、日本の大学進学に向けた汎用英語能力テストを受ける機会も多くなっています。将来は、学生・社会人を問わず、これらの新しい英語検定試験を取り入れて、個人の英語能力を測る機会が増えることが予想されています。