英語力の証明資格として、現在も最も広く使われている国際的な英語検定試験であるTOEICテストと、TOEFL-IBTテストが、先月から急遽イギリス・ビザの申請、査証更新の申請、イギリス国内居住権の申請などの公式な手続きに使えなくなりました。これにともない、近くアイルランドでも同様の措置がとられる可能性があります。すでに、イギリス政府の Home Office(ホームオフイス==英国法務省入国管理本部) のウエブサイトでも2014年5月現在時点で、TOEICテスト、TOEFL-IBTは、査証申請時の英語力証明としての指定テストのリストからは削除されています。
同時に、このテストの主催運営をしているアメリカの非営利団体 ETS (Education Testing Service)も、イギリス国内でのこれらのテストの受験預託業者による違法行為を正式に確認したために、イギリス政府内務省と締結されていた英語力認定試験としてこれらが認められなくなったことを発表しました。今回の出来事は、このテストのイギリス国内での受験に際しての不手際に起因するものとされますが、今後これらのテストの信頼性が他国にも影響を及ぼす可能性があります。同時に、現在ビザを申請している留学生や、ビザ申請のためにこれらのテスト受験準備を進めてきた留学生たちに多大な影響が出ることは免れません。今後はイギリス留学の英語力証明として、ケンブリッジPETや、IELTS(アイエルツ)が有効な検定試験と定められたために、これらの試験の国際的なシエアが短期間で伸びることが予想されています。
月別アーカイブ: 2014年5月
TEAP-2014年度申し込み開始
上智・立教・関西大その他で採用される英語試験TEAPティープ、昨日、英検協会より5月12日から第1回TEAPテイープの申込みを受付を開始する連絡がありました。広島市は7月20日に女学院大学で開催される予定です。TEAPティープは、英検協会と上智大学が開発したテストで、高校3年生を対象に大学入試を想定して、「読む」 「聞く」 「書く」 「話す」 の4スキルを測定するテストです。問題は、英検準2級~準1級程度が目安とされ、大学で必要とされる語彙、学科、生活を想定した内容に特化しています。その意味でTOEFL-IBT、IELTSと同類のテストといえます。TEAPは、合否を判定するのではなく、現在の英語力を能力レベルを表す区分標記であるバンドで評価します。大学受験は各大学が設定している基準スコアを満たせば出願できます。
このテストは年3回実施され、今回が1回目です。受験は3セクションで構成され、パターン1は「Reading / Listening」、パターン2は「Reading / Listening + Writing」、パターン3は「Reading / Listening + Writing + Speaking」となっており、出願先の求める要件によって選べます。出願先となる上智大学は、国際教養学部を除く、全学部、全学科で利用されます。立教大学は、自由選抜入試の異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学部、経営学部経営学科、国際経営学科で採用されます。関西大学は、AO入試、スポーツ特試、指定校推薦入試、特別選抜入試の外国語学部で採用することになっています。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の会場でテストは実施される予定です。次回は9月20日で、第3回は12月14日に開催される予定です。受験料はパターン1=6,000円、パターン2=10,000円、パターン3=15,000円と発表されています。エースは東京都、広島県、愛知県、香川県の高校生受講生の申し込みの支援を行います。
IELTSアイエルツの台頭
日本では、TEAPテイープが開発され、2013年より高校生の私立大学受験の英語試験として取り入れられている現状を前回のブログで紹介をしました。経済やビジネスシーンの国際化と同様に、国内の英語教育もボーダーレスな環境のもとで急激な国際化を求められています。
日本の高校生の英語検定といえば、「英検」が中心でした。その理由は、英検の準2級~準1級の試験問題がセンター試験英語や国立大学入試に類似していたため、英検を修得することで大学入試を克服できるというメリットにありました。これを他の英語検定試験である TOEIC Bridge、TOEFL Junior、 GTECなどが追随してきましたが、今後はIELTSアイエルツが急進する可能性があります。IELTSは英語の母国イギリスが世界に誇る英語検定です。このテストの原型であるケンブリッジ英語検定試験は80年以上の歴史のある格式の高いテストです。このテストで7.0バンドスコア(9.0満点)を達成すると、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学に出願ができます。さらに、イギリスの査証申請、労働許可、居住許可の申請まですべてがこのを英語検定証明で賄えるということで、イギリスの教育省が「高校留学から永住権まで」の言語資格と正式に制定しました。現在イギリスの学生ビザを申請して入国許可を得るにはIELTSなしでは実現が不可能です。IELTSの試験開催センターも整備され、世界中のほとんどの都市で受験ができるようになりました。日本では、英検協会がこのテストの運営を受託し、日本国内の多くの都市で通年で IELTS試験を開催しています。競合が発生したときは、常に格の高いものやサービスがをシェアを伸ばしてiきた社会現象は英語の世界でも同様かもしれません。