アメリカの予期せぬ事件-州や地域によって異なる治安事情

昨日、アメリカのロサンゼルスの国際空港のあるイングルウッドで殺人事故がありました。犠牲者は日本人で、牛丼の吉野屋の前で銃被害に遭いました。

11月9日(日)午前4時ごろ、日本人男性Sさん(40歳)が、ロサンゼルス近郊のイングルウッドにある日系の牛丼チェーン店「ヨシノヤ(YOSHINOYA USA・吉野家USA)」が入っているモールの駐車場で、銃で頭を撃たれて死亡する事件が発生した。
ロサンゼルス市警によると、Sさんは、駐車場で助手席から降りて約2分後、誰かと話をしていたところを、近づいてきた車に乗っていた男たちに、至近距離から頭を撃たれて死亡した。また、その経緯は防犯カメラの映像に残っていたという。警察は事件発生直後に通報を受けて、逃走した犯人たちの車を負うも取り逃がし、現在も3人の男の行方を追っている。
Sさんの本籍は東京で、カリフォルニア州の運転免許証を持っていた。日本総領事館によると「短期滞在者」として登録されていたが、滞在目的は不明。現場は治安の悪い場所として知られており、今年に入り、イングルウッドでの拳銃による殺人事件は17件目。

イングルウッドはアフリカ系やヒスパニックと呼ばれる南米系の住人が多く貧民街があるために、昼間は別として夜は危険な地域です。ロサンゼルスの人口は約280万人、それに対して昨年起きた殺人事件は400件以上なので、7千人に一人が銃などの犠牲になっている計算になります。しかし、この治安事情は、州によって大きく異なり、例えば、カリフォルニアの隣のオレゴン州のポートランド市は治安が良い町として有名です。高校生が留学する地域は、ほとんどが小都市、あるいは田舎が多く、安心して生活できる環境です。しかし、銃社会であるアメリカでは、実際に何が起こるかわからないので、夜間の外出や現金を持っての一人歩きは極力さける必要があります。
それにしても、今年はカリフォルニアでの日本人にまつわる事故や事件がニュースで取り上げられることが多く、それはすなはち、海外に渡航する日本人が増えて多くの方が外国で生活を送っている証であるといえます。日本の大都市、東京や大阪でも毎日様々な事件が起きてテレビで報道されていますが、日本の都市ほど治安の良い国は少ないのが現実です。

留学中の盗難被害について

近年、海外で留学生が盗難の被害にあうケースが増えています。例えば、混雑したエアポート内でバックが盗まれたり、ハンバーガー・ショップでほんのわずかなスキにカバンが盗まれたり、まれなケースでは、留学先の学校内でカメラや携帯電話などの貴重品が盗まれたという報告もあります。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど、いずれの国でも留学生に対する盗難は一定の頻度で発生しています。私の知る限りにおいて盗まれた物が警察によって発見されて生徒さんのもとに戻ってきたという例はありません。従って、留学生はこれらの盗難被害を防ぐ努力と注意と怠らない意識が日常生活で求められています。基本的なことですが、外出時に大事なものや貴重品は持ち歩かないようにすることが必要です。日本人の持っているものは、何れの製品も外国では高価なものが多く、メイド・イン・ジャパンは高級ブランドとして狙われやすい傾向があるのが事実です。海外では自分の持ち物には気を付けて、カバンは席を離れる時やトイレに行く時は脇にしっかり抱えて持ち運ぶなど最善の注意をして下さい。不幸にも盗難被害に遭った場合は、すぐに警察に出向いて被害届を出してください。そして盗まれたもの全てをその届出書に網羅して届けてください。被害届けが受理されたら警察から控え書類が発行されます。海外留学保険では携行品の被害が補償されているので、できる限り早く保険会社に連絡をとって保険金の請求を行って下さい。但しこの保険では、現金や、クレジットカード、コンタクトレンズなどは保障されません。また、紛失や置き忘れたものは、保険での保証の対象にはならないので気をつけましょう。