文部省が主催する「大学入試センター試験の改革」を審議する会議が12月22日に東京で開催されました。この会議では、現在の入学試験方式に代わる新たなテストの方向性が話し合われました。その意向によると、現在の大学入試センター試験を廃止して、平成32年度から新たに「大学入学希望者学力評価テスト」と改変するそうです。
その主な内容は、数学、英語、国語テストの解答をマークシート方式に加えて、記述式となる問題を導入するということです。英語試験では「聞く・話す・読む・書く」の4つの技能を測ることが検討されています。この英語テストのライテイング記述問題の例は、TOEFL IBTのライテイング独立問題に相違しているもので、制限時間内に200~300ワードで自分の意見をまとめて記述するというものでした。例題とすると、「あなたは、海外留学という制度が、国際社会の理解に役に立つという意見に同意しますか、しませんか?具体的な意見と理由を述べて、30分間の制限時間内に英語で記述しなさい。」というもので、生徒の英語の実力を計る試験としては相当に意義のあるものでした。しかし、この試験制度の問題点は、各受験生の解答を、どのように均一化して正しく評価するのか、さらに膨大な数の受験生の英語記述解答採点を短期間で行える優秀なスタッフを揃えられるかというところにあります。この採点システムの構築は不可能ではないとしても、優秀なスタッフを揃えて、採点評価マニュアルを完成するのには相当な時間がかかると思われます。
英語を母国語としない国々である中国や韓国を含むアジア諸国では、近年英語教育に重点が置かれるようになりました。日本でも、世界に通用する英語教育の充実が急がれていることはまちがい有りません。