カリフォルニアで起きた留学生事故

丁度、アメリカの留学生保険について前回のブログに記載した矢先に、アメリカの「カリフォルニア州サンデイエゴ」で発生した留学生の衝撃的な自動車事故報道がありました。アメリカでは、毎年数回の事件や事故が新聞などのメディアで報道をされますが、一度の日本人留学生関連事故としては近年で類をみない規模のものです。

日本人留学生3人自動車事故死 米サンディエゴ近郊の高速道路
米カリフォルニア州サンディエゴ郡オーシャンサイド市の高速道路で2014年8月21日深夜、18~22歳の日本人留学生8人が乗った乗用車が道路わきの電柱に衝突し、3人が死亡、5人が負傷した。
AP通信などによると、死亡したのは、運転していた男性(19)と別の男性(20)、女性(18)の3人。ほかに男性3人と女性2人が負傷した。
8人は同郡サンマルコス市にある2年制の州立パロマーカレッジの新入生で、18日から新学期が始まったばかりだった。警察や大学は、8人の名前を明らかにしていない。
8人は、2000年式のホンダ・プレリュード(定員4人)に乗って走行中、突然道路を外れ、土手を下って電柱に突っ込んだ。車は原形をとどめないほど大破し、消防隊員が駆けつけた際、8人は車内に閉じ込められた状態だったという。ヘリコプターで病院に搬送された負傷者もいた。地元警察は、定員超過のため複数の学生がシートベルトをしていなかったとみている。

アメリカでは事故が発生すると、その救護方法スケールも大きく、今回の事故ように被害者の救出にヘリコプターを使う場合もあります。今回はの事故では、犠牲者数が多いことから留学生2名の死亡保険金に、その他の生徒の治療費、救護救援費用、損害賠償額、被害者家族の現地渡航費、さらに後遺障害補償を加えると十億円規模の保険金規模になることが予想されます。高校留学生が、これだけのアクシデントに巻き込まれる可能性は少ないのですが、万が一の場合に備えて、留学生保険への加入は重要です。備えあれば憂いなし、海外生活は日本の日常と異なることを理解して頂きたいと思います。

高校留学中のサポート

留学参加者の5人にひとりの割合で程度に差はありますが1年間の留学期間中にケガや風邪などの体調不良、あるいは持ち物の紛失、盗難に直面しています。高校留学生の現地生活のサポートは、通常ホストファミリーとコーディネーターの連携によって行われます。医院に連絡して生徒を診察に連れて行ったり、貴重品紛失の場合は警察へ届ける支援などをしてくれます。しかし、これらが英語で行われるため、海外生活経験の浅い高校生は、不安な状況を過ごすことが多いのも事実です。アメリカと日本の医療制度の違いは大きく、すぐに自分に適切な診療を受けることが出来なかったりする場合があります。
高校留学を取り扱う日本の団体は、その団体組織と保険会社の提携で、留学生の事故、病気、盗難、救護体制を整えている場合がほとんどです。日本側の高校留学募集団体は、留学生がメールやコレクトコールで連絡をすれば、どのように対処するべきかを助言してくれて、現地のホストファミリーや日本の両親に連絡を取るなど機敏に反応してくれます。
ところで、アメリカでは救急車は有料です。救急搬送サービス、緊急医療サービスも高額で、留学生自身に過失があるとその損害賠償を請求されることがあります。未成年者といえども日本の常識では考えられないような事態が発生した例が報告されています。それに対応するのが「留学生保険」の利用です。長期留学はもちろんですが、短期の留学でも海外生活では何が起こるか分かりません。アメリカの医療費は高額で、盲腸炎程度の手術で入院したケースでも莫大な費用が発生します。留学保険は契約内容によって以下の保障内容のものがあります。
●旅行中の事故によるケガが原因で、死亡したり後遺症が発生した場合。
●さまざまな事故によるケガや病気の治療、入院をする場合。
●入院などで親族が現地に緊急で駆け付ける場合(救援費用が摘要)
●救護活動の救急車、レスキューなどの経費
●旅行中に病気で死亡したとき。
●店の商品を壊したなど、損害賠償を負ったとき。
●盗難にあったり、携行品を破損したとき。
●搭乗時に航空会社に預けた手荷物の到着が遅れた場合。
●搭乗予定の航空機が遅延、欠航、運休になったときの費用保証。
虫歯の治療は通常、留学保険対象とならないので、高校留学生は、出発前に歯の検診を受けて異常があれば治療を済ませておくことをおすすめします。

アメリカ高校留学のホストファミリー

familiaアメリカ高校交換留学プログラムでの受け入れ先となるホストファミリーは、ボランティアの家庭です。すなはち「無償」で高校生を受け入れています。海外からの留学生の食費、滞在費はこの受け入れ先の家庭によって提供されています。ホストファミリーはキリスト教の家庭が多く、その寛大な宗教精神のもとで海外からの生徒を熱心に受け入れています。実際にホストファミリーは、教会活動や福祉活動などの団体ネットワークを通じて募集されることが少なくありません。さらにホストファミリーは、その家庭に地域の公立高校に通学している中学生、高校生の年齢の子供がいることが条件に選出されることが一般的です。何事にも合理的なアメリカ人気質からいうと、ホストファミリーは海外からの高校生を受け入れることに「多くの期待」を持っているのも事実です。ひとつは、アメリカ人にとっての外国の異文化を知りたいという希望です。移民国家として発展してきた歴史を持つアメリカは、異文化に積極的に接する土壌が培われています。その他、「チョア」という家事手伝いや子守を手伝って欲しいという事情や、キリスト教会活動を支援して欲しいという期待による場合もあります。留学生は、毎週末に教会で開催されるミサや季節毎のバザーへ家族と共に参加する機会が少なくありません。アメリカ社会は、YMCA、YWCA、救世軍活動などの宗教精神に根ざした社会であることも理解して高校交換留学に参加することが望まれています。

高校交換留学のコーディネーター

アメリカ高校生交換留学のプログラムには、この催しを支援する多くのボランティアが運営にかかわっています。全米には、数百名のコーディネーターと呼ばれる人々のネットワークが存在します。各州には、その州全体の高校生交換留学プログラムを管轄するステイト・コーデイネーター、またはリジョナル・ディレクターと呼ばれる人がいます。これを担当している方は、各州在住の有志で、ライオンズクラブやキリスト教財団のメンバーとして奉仕活動に通じた方や、リタイヤをされて社会活動に従事されている著名な方の場合が少なくありません。さらに、各地域にはローカルコーディネーターとよばれる方がこの活動を支援しています。現役の教師や元教師、専門職、主婦など、老若男女を問わず様々な人々が活動を支えています。いずれの方も異文化交流の大切さを熟知しています。ローカルコーディネーターは、高校交換留学プログラム
にとって各コミュニティにおける代理人の役割を果たします。ホストファミリーを希望するファミリーの面談を行います。面談のため家庭を訪れる際には、家族全員がその場に居合わせるよう依頼します。一家がホストファミリーとしての役割を理解しているかどうかを確認し、留学生が寝起き、晩強する部屋も確認します。一家全員が留学生を受け入れることに同意しているかを確認することもコーディネーターの仕事です。
ローカルコーディネーターの役割は、
1)ホストファミリーの事前の調査、面談を行う。
2)留学生の到着に先立ち、ホストファミリーと受け入れの打ち合わせを行う。
3)留学生およびホストファミリーの指導、カウンセリング、必要に応じて留学生宅を訪問する。
4)本部に留学生の生活や学習状況について状況報告を行う。
5)万一の緊急時には、留学生やホストファミリーの援助にあたる。
ローカルコーディネーターはアメリカ留学機関本部より随時指導打ち合わせを受けており、毎年行われる研修ミーティングにも参加しています。また、ローカルコーディネーターは留学生をはじめ、ホストファミリーや学校側の日頃の相談役にもなります。問題が生じた場合は、迅速にリジョナル・ディレクターや本部へ連絡をします。この他、各種活動や旅行、文化イベントを企画するのもコーディネーターの役割です。

TEAP-2014年度申し込み開始

上智・立教・関西大その他で採用される英語試験TEAPティープ、昨日、英検協会より5月12日から第1回TEAPテイープの申込みを受付を開始する連絡がありました。広島市は7月20日に女学院大学で開催される予定です。TEAPティープは、英検協会と上智大学が開発したテストで、高校3年生を対象に大学入試を想定して、「読む」 「聞く」 「書く」 「話す」 の4スキルを測定するテストです。問題は、英検準2級~準1級程度が目安とされ、大学で必要とされる語彙、学科、生活を想定した内容に特化しています。その意味でTOEFL-IBT、IELTSと同類のテストといえます。TEAPは、合否を判定するのではなく、現在の英語力を能力レベルを表す区分標記であるバンドで評価します。大学受験は各大学が設定している基準スコアを満たせば出願できます。
このテストは年3回実施され、今回が1回目です。受験は3セクションで構成され、パターン1は「Reading / Listening」、パターン2は「Reading / Listening + Writing」、パターン3は「Reading / Listening + Writing + Speaking」となっており、出願先の求める要件によって選べます。出願先となる上智大学は、国際教養学部を除く、全学部、全学科で利用されます。立教大学は、自由選抜入試の異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学部、経営学部経営学科、国際経営学科で採用されます。関西大学は、AO入試、スポーツ特試、指定校推薦入試、特別選抜入試の外国語学部で採用することになっています。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の会場でテストは実施される予定です。次回は9月20日で、第3回は12月14日に開催される予定です。受験料はパターン1=6,000円、パターン2=10,000円、パターン3=15,000円と発表されています。エースは東京都、広島県、愛知県、香川県の高校生受講生の申し込みの支援を行います。

高校交換留学プログラムの背景

高校交換留学生を受け入れる米国側のホストファミリーは、どういった考えのもとに海外からの生徒を1年間という長期にわたって無償で受け入れるのでしょうか。また、このプログラムのスポンサーになることに、どういった意義や、歴史、メリットがあるのでしょうか。
移民によって今日まで発展してきたアメリカは、古くから外国からの留学生受け入れに対しても積極的な社会的背景が形成されてきました。アメリカの著名な文化人類学者エドワード・ホールや、ジョージ・トレーガーが提唱した「異文化コミュニケーションの重要性」の理念にも後押しをされて、海外から母国を訪れる若者を歓迎する風潮が広く根付いてきました。同時に、アメリカ人は世界のフロンティアであり、強いリーダーシップを持つ国民であり、正義の元に団結できる国民であることを海外にアピールするひとつの取り組みとして高校交換留学制度をとらえています。この催しを支援するプログラム組織も多彩で、例えばフルブライト制度(現在は大学以上の留学のみ取扱い)、アメリカン・フィールド・サービス制度、ロータリー財団留学制度などは代表的な国際文化交流団体として有名です。わかりやすく言うと「アメリカは自由の国だよ、美しい国だよ、豊かな国だよ。世界中の皆、友達になろうよ」というアメリカ国民の善意ある方々のセンセーションが、今日迄このプログラムの歴史を築いてきたといえます。

交換留学生の受け入れ

交換留学制度の現地受け入れは原則無償で行われます。通学する高校も、ホストファミリーも無料で生徒を受け入れます。これは、アメリカの文化を海外の若者に知ってもらいたいという親切心で行われています。アメリカの歴史や文化はキリスト教(多くはプロテスタント系)によるところが多く、「博愛、救援」などの精神の元で多くのボランティア活動が行われています。実際に、生徒を受け入れる家庭はキリスト教のファミリーが多く、質素で堅実な生活を送っている場合がほとんどです。ホストがシングルマザーの家庭、子供が巣立った老夫婦の家庭、兄弟が多い子だくさんの家庭、中にはシングルファザーの家庭もあります。受け入れ先は、普通の会社員の家もありますが、町の教会、郊外の牧場、漁師や農家、珍しい例ではアメリカ空軍基地内に居住する家庭もあります。参加者が気をつけたいのは「滞在先は国際文化活動として生徒を無料で受け入れている」という現実で、それはホストファミリーは言い換えるとスポンサーだということです。日本からの生徒は、家族としての雑用(チョアといいます)や、自分の部屋の掃除、食事の後かたづけなどが割り当てられます。また、参加者が学校で問題を起こすと親代わりとなっているホストの方が学校から呼び出されたり、注意を受けたりします。
夏休みに行われる「ホームステイ」と呼ばれる外国短期滞在や、海外の英語学校留学の滞在先、高校正規留学でのファミリー滞在プログラムは、受け入れ家庭に費用を払って滞在するペイゲスト・ステイが普通です。ペイゲスト・ステイは日本的に言うと「食事付き下宿」で、二人部屋と一人部屋の部屋条件、週あたりで提供される食事の回数によって代金が異なります。現在の西欧諸国では、為替レート変動と現地物価高で1が月最低、日本円換算で10万円以上がかかります。この滞在費相場を知ったとき、アメリカ高校生交換留学では滞在費だけで年間100万円以上の提供に浴していることを理解して、その家族の一員として過ごすことが望まれます。

高校交換留学

アメリカの公立高校に1年間留学をする高校留学。この公立高校留学には2つの種別があります。ひとつは、日本の高校とアメリカの高校間提携によって互いに生徒を派遣し合う「高校間交換留学」、もうひとつはAIFSなどの米国の交流文化財団や国際交流NPO法人の主催する高校生の交換訪問プログラムである「高校生交換留学」です。この二つの制度は「高校交換留学」という呼称でウェブサイトなどのメディアで紹介されています。交換留学は何れの運営種別でも、日米文化の相互理解推進活動と青年の国際交流としての意義のもとで行われます。この留学制度は、最長で1年間現地の高校生活を通して文化交流活動を行うもので、この期間終了後は日本に帰国する規定があります。従って、現地高校での進級や卒業を目指す催しではありません。アメリカの高校で卒業を目指す生徒は私立の高校であるボーデイングスク-ルやデイスクール留学へ参加をする必要があります。アメリカ入国の為に領事館に申請するビザの種類も異なり、交換留学は「J-1」という文化交流ビザ、私立高校の正規留学は「F-1」という学生ビザを取得します。高校在学生が申込参加することが多い留学制度ですが、最近では申込者の若年化が進み、中学を卒業して直ぐに渡米してこのプログラムに参加する生徒が増えてきました。その場合は、中学2年生時に高校交換留学の出願準備を開始して中学3年時に参加申し込みをします。