帰国生特別大学入試制度

海外に留学した高校生が、現地の高校を卒業して日本の大学を受験する場合は、通常の大学入試とは別に定められた「帰国子女特別入試(帰国生選抜入学試験)」を利用する大学受験ができます。大学ごとに定められたアドミッションポリシーに沿った AO入試制度のひとつとして、あるいは一般受験とは別枠の特別入試方式として開催されています。
この受験は、通常毎年8月~9月に出願をして、9月から12月までの間に入試が行われます。出願に際しては、外国の高校卒業証明書(または、留学先国制度による高校修了証明書)、成績証明書、加えて英語力の証明書としてTOEIC、TOEFL、IELTSのスコアが必要です。試験は、私立大学は主に小論文と面接、公立の大学はそれに加えて基礎学力テストが行われます。
実は、ここで求められる英語力証明書のレベルが最近上がってきています。関東圏の私立大学は、以前は英語検定の点数を明示していましたが、現在は点数表記がない大学があり、それはすなはち高い点数を取らないと受験段階で足切りに合うことを示しています。高得点の生徒から出願を認めようという大学側の意向が反映しています。
以前は、TOEFLであれば80点で十分だったものが、近年は100点近いレベルを確保しないと上位の大学への入学は難しくなっている模様です。関西の有名私立大学や福岡の大学でも、関東圏の大学程でないにせよ英語検定のレベルが引き上げられる傾向が見受けられます。
しかし、大学に出願する帰国生の中には英語検定の結果が伸びずに困っている方がおられると思います。高校留学生は、海外の高校在学中にできる限り高度な英語力を身につけ、あらゆる検定試験に合格できる実力を身に付けることが期待されます。
特に、現在進む日本の大学の入試改革により、英語は重点科目のひとつとされるという認識が必要になります。