高校教科の標準数値化

9月28日のネットニュースで、教育改革に於ける高校成績の標準数値化問題が取り上げられました。
日本の文部科学省によると、今後5年を目処に、高校生の成績の標準数値化に乗り出す模様です。これは、大学進学時の大学入試適性試験(仮名)改革に伴うもので、現在の高校の成績が、学内で開催される試験の結果を中心に評価される状況を改めて、生徒の普段からの教科に対する就学姿勢と習熟度を総合的な「標準数値化」で示そうという試みです。
例えば、英語科目でいうと、その学校での英語授業での評価と試験成果に加えて、共通の検定資格である「英検」、「GTEC」、「TOEIC」などの点数成績をそれに加えて、さらに高校の留学プログラムや海外研修の学習成果と活動評価も吟味して、グレード化をしようというものです。高校間のレベル差も考慮に入れて、日本全体での共通評価とすることを最終的に目指すところとしているようです。
実は、この評定パターンはニュージーランドにすでに取り入れられているものです。それはNCEAと呼ばれ、そのシステムでは、希望者に限定してInternal という学校内評定とは他に、Generalという共通評価をニュージーランド文部省NZQAが与えるものです。それによって、高校のレベルに左右されることなく、この国での高校同学年全体での生徒の成績を把握することが出来るようになっています。
しかし、この制度にも問題があり、校内と国内共通の2重評価システムが、逆に高校そのものの個性をないがしろにしているという意見があります。また、国内共通の評価がオプションであるので、裕福で成績の良い生徒が主にNECAを利用するために、結局生徒の二極化を進める一因になるという皮肉な状況になっています。
日本であれ、海外留学であれ、生徒の評価システムが完全なものは存在してないようです。