思いだすと、アメリカの高校交換留学制度に30年近く関わってきました。当初は、アメリカ中の各州の都市から日本からの留学生に来てほしいとうファミリーが多くありました。
ファックスやテレックスで、英文の募集要項が届いたことを覚えています。その時分は、アメリカに受け入れ先となる家庭を募集して留学生をサポートする現地の文化交流財団が多く、歴史のある交換留学組織ではYYE、AFS、ASPECT、YFU、ISEなどの有力団体がこの頃から活動をしていました。時代は現代に移り、現地受入団体の活動規模は半分程度まで減少してきました。その変化の理由は何でしょうか。ひとつは、ネット社会の到来で外国の文化や社会情勢をいつでも知ることができる情報近代化への変化があります。これにより、文化交流への取り組みのニーズが減ったことは確かです。他の原因としては、アメリカの国内景気の変動があります。現地の受け入れ先家庭がスポンサーとして無償で外国人を受け入れる制度であるために経済的な安定がないとその機会が減少することはいうまでもありません。近年10年間でもサブ・プライム住宅ローン問題やそれに関わるリーマンショックなどの社会経済問題が発生して少なからず高校生留学のシステムに影響したことはいうまでもありません。とはいえ、この制度の維持発展を心から祈るばかりです。