留学参加者の5人にひとりの割合で程度に差はありますが1年間の留学期間中にケガや風邪などの体調不良、あるいは持ち物の紛失、盗難に直面しています。高校留学生の現地生活のサポートは、通常ホストファミリーとコーディネーターの連携によって行われます。医院に連絡して生徒を診察に連れて行ったり、貴重品紛失の場合は警察へ届ける支援などをしてくれます。しかし、これらが英語で行われるため、海外生活経験の浅い高校生は、不安な状況を過ごすことが多いのも事実です。アメリカと日本の医療制度の違いは大きく、すぐに自分に適切な診療を受けることが出来なかったりする場合があります。
高校留学を取り扱う日本の団体は、その団体組織と保険会社の提携で、留学生の事故、病気、盗難、救護体制を整えている場合がほとんどです。日本側の高校留学募集団体は、留学生がメールやコレクトコールで連絡をすれば、どのように対処するべきかを助言してくれて、現地のホストファミリーや日本の両親に連絡を取るなど機敏に反応してくれます。
ところで、アメリカでは救急車は有料です。救急搬送サービス、緊急医療サービスも高額で、留学生自身に過失があるとその損害賠償を請求されることがあります。未成年者といえども日本の常識では考えられないような事態が発生した例が報告されています。それに対応するのが「留学生保険」の利用です。長期留学はもちろんですが、短期の留学でも海外生活では何が起こるか分かりません。アメリカの医療費は高額で、盲腸炎程度の手術で入院したケースでも莫大な費用が発生します。留学保険は契約内容によって以下の保障内容のものがあります。
●旅行中の事故によるケガが原因で、死亡したり後遺症が発生した場合。
●さまざまな事故によるケガや病気の治療、入院をする場合。
●入院などで親族が現地に緊急で駆け付ける場合(救援費用が摘要)
●救護活動の救急車、レスキューなどの経費
●旅行中に病気で死亡したとき。
●店の商品を壊したなど、損害賠償を負ったとき。
●盗難にあったり、携行品を破損したとき。
●搭乗時に航空会社に預けた手荷物の到着が遅れた場合。
●搭乗予定の航空機が遅延、欠航、運休になったときの費用保証。
虫歯の治療は通常、留学保険対象とならないので、高校留学生は、出発前に歯の検診を受けて異常があれば治療を済ませておくことをおすすめします。