英語検定での英語力比較

この高校生留学ブログをご覧頂いた生徒さんから、先日、各英語検定試験の英語力評価比較インフォメーションが欲しい、とのメールを頂きましたので、今回はその参考となる比較表をもとに英語能力レベルの説明を行います。以下に示すのがエース外語学院の調査提供による各英語検定試験の点数の比較と、受験者の英会話力判定です。
TOEICテスト、TOEFL-IBT、英検を一線上で比較するのは各検定試験のスタイルが異なることから簡単ではありませんが、皆様の今後の学習の参考として頂くために記載しました。通常のTOEICテストは、リスニングとリーディングの2セクション990点満点評価すので、TOEFL-IBTテストの4スキル型テストとはテスト形式が異なるため、スコアの相関関係はあくまで比較の参考とされるものです。近年はこれらのテストに加えて、ケンブリッジ大学が開発して英国教育省委員会、豪州教育省が開催するIELTS アイエルツが英語検定として急激に普及してきました。また高校生では、GTECやTEAPテストなど、日本の大学進学に向けた汎用英語能力テストを受ける機会も多くなっています。将来は、学生・社会人を問わず、これらの新しい英語検定試験を取り入れて、個人の英語能力を測る機会が増えることが予想されています。
hyo2

高校留学参加に必要な英語力

Yurinaアメリカ高校交換留学に参加するためにはSLEPテストで45点以上が必要です。この点数は、英検でいえば2級程度、TOEFL-ITPでは420点位に相当します。これに対して、オーストラリアやニュージーランドの高校正規留学への参加条件となる英語レベルは少し低くSLEPテストで35~40点位、英検では3級~準2級の実力で参加ができます。その理由は、オーストラリアやニュージーランドの高校の多くにESOL(イーソル)という外国人生徒のための英会話クラスが開設されて、留学生はそのコースで単位を取得しながら英会話学習のサポートを受けられる理由によります。ESOLは科目として通常の英語と同格に単位学科として扱われています。アメリカの高校では、このESOLクラスがない学校が多いために日本人留学生もいきなり母国語としての英語を学ばないといけない状況から、留学参加時の英語力基準が高くなっています。カナダの高校留学は、申込者の英語力に応じた多様な受け入れを行っています。太平洋側のブリティッシュ・コロンビア州高校留学を例に取ると、SLEPテスト45点以上の場合は高校の判断で日本と同じ学年へ留学します。この点数以下の生徒は、一学年下の学年からスタートする措置がとられて留学の実現がはかられる場合がほとんどです。カナダBC州では、学年に規定された英語、または英語コミュニーション科目が必修とされるために、英語力のレベルに合わせた高校学年への受け入れ方法がとられています。イギリス、アイルランドもGCE、GCSE検定制度の側面から高校留学参加者に求められる英語力基準は厳しく、英語力の不足する日本人学生は一学年低い学年からスタートするのが一般的です。母国語としての英語は、シェークスピア文学、ポエム、戯曲などの古典もその内容に含まれるために外国人の生徒には難しい科目です。また、英語力が不足すると社会科系科目の理解も困難です。オーストラリアやニュージーランドの一部の高校では、日本人留学生に単位促進のために日本語の科目登録を認める学校があります。その場合、日本人が日本語クラスのトップに君臨するという現象が起きるため賛否はありますが、これが日本人生徒の留学生活のストレスを和らげる機会になっていることはまちがいありません。これから高校留学を目指す皆さんは、どの国の高校に留学する場合でも英語の学習準備を怠らない下さい。

高校交換留学プログラムの背景

高校交換留学生を受け入れる米国側のホストファミリーは、どういった考えのもとに海外からの生徒を1年間という長期にわたって無償で受け入れるのでしょうか。また、このプログラムのスポンサーになることに、どういった意義や、歴史、メリットがあるのでしょうか。
移民によって今日まで発展してきたアメリカは、古くから外国からの留学生受け入れに対しても積極的な社会的背景が形成されてきました。アメリカの著名な文化人類学者エドワード・ホールや、ジョージ・トレーガーが提唱した「異文化コミュニケーションの重要性」の理念にも後押しをされて、海外から母国を訪れる若者を歓迎する風潮が広く根付いてきました。同時に、アメリカ人は世界のフロンティアであり、強いリーダーシップを持つ国民であり、正義の元に団結できる国民であることを海外にアピールするひとつの取り組みとして高校交換留学制度をとらえています。この催しを支援するプログラム組織も多彩で、例えばフルブライト制度(現在は大学以上の留学のみ取扱い)、アメリカン・フィールド・サービス制度、ロータリー財団留学制度などは代表的な国際文化交流団体として有名です。わかりやすく言うと「アメリカは自由の国だよ、美しい国だよ、豊かな国だよ。世界中の皆、友達になろうよ」というアメリカ国民の善意ある方々のセンセーションが、今日迄このプログラムの歴史を築いてきたといえます。

交換留学生の受け入れ

交換留学制度の現地受け入れは原則無償で行われます。通学する高校も、ホストファミリーも無料で生徒を受け入れます。これは、アメリカの文化を海外の若者に知ってもらいたいという親切心で行われています。アメリカの歴史や文化はキリスト教(多くはプロテスタント系)によるところが多く、「博愛、救援」などの精神の元で多くのボランティア活動が行われています。実際に、生徒を受け入れる家庭はキリスト教のファミリーが多く、質素で堅実な生活を送っている場合がほとんどです。ホストがシングルマザーの家庭、子供が巣立った老夫婦の家庭、兄弟が多い子だくさんの家庭、中にはシングルファザーの家庭もあります。受け入れ先は、普通の会社員の家もありますが、町の教会、郊外の牧場、漁師や農家、珍しい例ではアメリカ空軍基地内に居住する家庭もあります。参加者が気をつけたいのは「滞在先は国際文化活動として生徒を無料で受け入れている」という現実で、それはホストファミリーは言い換えるとスポンサーだということです。日本からの生徒は、家族としての雑用(チョアといいます)や、自分の部屋の掃除、食事の後かたづけなどが割り当てられます。また、参加者が学校で問題を起こすと親代わりとなっているホストの方が学校から呼び出されたり、注意を受けたりします。
夏休みに行われる「ホームステイ」と呼ばれる外国短期滞在や、海外の英語学校留学の滞在先、高校正規留学でのファミリー滞在プログラムは、受け入れ家庭に費用を払って滞在するペイゲスト・ステイが普通です。ペイゲスト・ステイは日本的に言うと「食事付き下宿」で、二人部屋と一人部屋の部屋条件、週あたりで提供される食事の回数によって代金が異なります。現在の西欧諸国では、為替レート変動と現地物価高で1が月最低、日本円換算で10万円以上がかかります。この滞在費相場を知ったとき、アメリカ高校生交換留学では滞在費だけで年間100万円以上の提供に浴していることを理解して、その家族の一員として過ごすことが望まれます。

高校交換留学

アメリカの公立高校に1年間留学をする高校留学。この公立高校留学には2つの種別があります。ひとつは、日本の高校とアメリカの高校間提携によって互いに生徒を派遣し合う「高校間交換留学」、もうひとつはAIFSなどの米国の交流文化財団や国際交流NPO法人の主催する高校生の交換訪問プログラムである「高校生交換留学」です。この二つの制度は「高校交換留学」という呼称でウェブサイトなどのメディアで紹介されています。交換留学は何れの運営種別でも、日米文化の相互理解推進活動と青年の国際交流としての意義のもとで行われます。この留学制度は、最長で1年間現地の高校生活を通して文化交流活動を行うもので、この期間終了後は日本に帰国する規定があります。従って、現地高校での進級や卒業を目指す催しではありません。アメリカの高校で卒業を目指す生徒は私立の高校であるボーデイングスク-ルやデイスクール留学へ参加をする必要があります。アメリカ入国の為に領事館に申請するビザの種類も異なり、交換留学は「J-1」という文化交流ビザ、私立高校の正規留学は「F-1」という学生ビザを取得します。高校在学生が申込参加することが多い留学制度ですが、最近では申込者の若年化が進み、中学を卒業して直ぐに渡米してこのプログラムに参加する生徒が増えてきました。その場合は、中学2年生時に高校交換留学の出願準備を開始して中学3年時に参加申し込みをします。

高校留学と大学進学

高校留学の経験者や外国の高校卒業生が、大学進学や就職活動において脚光を浴びてきました。文科省は 高校生の海外留学の促進について 広報を行い、安倍内閣においても総理大臣自らの談話として学生の海外留学や異文化交流の必要性が語られています。話せる英語・英会話の習得、海外ボランテイア活動への参加などによるリーダーシップ養成、国際的な学識者の育成などを可能にする「留学」制度が奨励されることは疑いの余地がありません。
高校留学や海外進学は日本の将来を担う若者を育てる機会として確実に定着しつつあります。特に、これから中学を卒業する年代の生徒の皆さんで、英語と外国生活に興味のある方は日本国内の高校進学とともに、海外の高校進学も視野に入れて自分の将来の進路を見据えてほしいと思います。東京オリンピック開催も「英語が上手に話せ、外国から日本を訪れる方々を国際的センスでもてなす若者たちの活動参加」なくして成功は困難です。英語と留学の普及は、日本の国策のひとつと考えられます。高校留学を考えている皆さんは、その夢を叶えるために、まず一歩を踏み出して下さい。

東京大は29日、2016年度入試から導入する同大初の推薦入試の概要を発表した。<中略>
1次選考の書類審査(11月)は、高校の成績に加え ▽留学経験 ▽世界の高校生らが競い合う国際科学五輪での成績 ▽TOEFLや英検の英語能力試験の点数 ▽ボランティア活動−−などが対象だ。
東京都内有数の進学実績がある公立高校長は「世界に通用する優秀な生徒が欲しいという意向が伝わる。受験対策に特化しない高校教育をしてほしいというメッセージだ」と評価。「探究型・課題解決型の学習に力を入れている『底力のある高校』が有利だろう」とみる。(毎日新聞 2014年1月29日記事より抜粋)

フォニックスの留学効果

phonic英語のフォニックスの重要性について考えてみましょう。学問的にフォニックスは、「アルファベットの短音発音規則と、綴りでの複音発音の方法を身につけるメソッド」で、日本でも英語教育に多様に取り入れられたのは前述の通りです。英語を「音声学的なルール」で学び正確で美しい発音を身につける学習法として広く確立されています。
” The rain in spain falls mainly on the plane.” という文章を例にとると、日本の学校英語教育ではここに出てくる”The, in, falls , mainly, on” の文法用法が教師から示され、続いて主語述語の構文が解説されて、生徒はそれを学習ポイントとして学んでいきます。しかし、現実の英会話となると、この文章を正しく発音しないと英語の「音」としての発音と「文章」との相関性が不明瞭になるためネイテイブとのコミュニケーションでは役立たないものになります。そこでフォニックスを学ぶことで英単語を正しく読め、英語を上手に話せるようになり「通じる英語、話せる英会話」を身につけることができます。高校留学生も留学当初は、英語の発音が不明瞭なためにホストファミリーや友達との意志疎通で苦労をしますがフォニックスによる発音を現地でマスターすることで英語での会話を克服しています。
ところで、海外旅行で利用する飛行機の機内食サービスで  “Fish or chicken?” と、どちらの食事を希望するのかパーサーから聞かれて “Fish” と言ったのに ”Chicken” が出されたり(”F” 発音に失敗し”sh” 音が “ch”と聞こえたのが原因)、 ”Coffee” を頼んだのに、”Tea” が出てきたり、(“ff-ee” 音が不明瞭で “Hee” と聞こえたのが原因) という失敗談があります。これらの状況はフォニックスによる発音で解決ができます。近年は多くのフォニックス関連英語学習書が登場しているます。また、発音教則本では、発音と同時に綴りを表記したものも増えているので英語学習の参考にして下さい。

高校留学フォニックス

外国で長期間生活をすると、日本人である自分自身の話す英語発音の「音」や「雰囲気」が、現地の人々が話す本場の発音と異なることに気がつきます。しかし、その違いを実際に自分の発音に取り入れて、ネイテイブに似せたナチュラルな英会話を続けるのは難しいものです。通常、日本で高校生が学ぶ英語は、発音学習を授業に取り入れていても「カタカナ発音」になりがちです。そのために、本場の英語イントネーションと異なることは少なくありません。特に、日本語の発音に含まれない「 R、TH、F、V 」の発音は難しく、声に出して何度も練習をして克服するしかありません。
ところで、高校留学に参加すると毎朝の挨拶で  “Good morning.  How are you?”  ”I’m fine, thank you.” をホストファミリーや同級生と声をかけあいます。このネイティブを相手にした短い挨拶も「R、TH、F」を身につける実践の場になっています。数ヶ月間を現地で過ごした頃には留学で渡航した最初の頃のぎこちなさも抜けて美しい発音を会得し流ちょうな挨拶ができるようになります。「英語の文字と音のルールによって外国人の発音を手本にして英会話をマスターする」 高校留学では、良質な英語の発音学習法を実現できます。これを実践できる英語の学習法「フォニックス」が、近年日本の子供たちの英語指導に取り入れられています。英語の早期学習実現によって、英会話力の効果的な養成が可能なことは間違いありません。

高校留学で英語を習得

shelly高校留学のために一年以上の長期海外生活を送ると、当然の事ながら「高度な英語力」が自然に身に付きます。ここでいう「高度」という意味は、日本の中学や高校の英語授業で高い点が取れるという意味ではなく、一瞬で「日本語から英語に、英語から日本語に」する能力のことです。この能力は、いくら日本国内で英語の学習を重ねても身に付きにくいものですが、外国で生活を送ると、その環境の中で自然に訓練がなされていきます。例えば留学先高校の先生に何か指示をされた時、最初の頃はその都度頭の中で日本語に翻訳していたのが、6ヶ月経過後は、ほとんどの学内英会話を理解できるようになっています。また、脳が発育を続ける年齢でもある18歳以下の生徒は、「R 」や「TH」を正しく聞き分けられる能力と、正確な英語の発音をマスターすることができます。自然で美しい発音技術の習得は20歳を超えると難しいといわれています。

高校留学のメリット

高校留学の最大のメリットは、高校生の貴重な年代に、海外のハイスクールやボーデイングスクールに留学ができることです。高校留学は参加申し込みの年齢制限があるため、18歳以上の生徒は例外を除いてこの留学プログラムに申し込むことが出来ません。留学先が外国の高校なので同じ年齢の現地の生徒と肩を並べて、その国の国語、数学、理科、社会などの一般科目を英語で学び、クラブ活動や修学旅行などの多彩な学校の催しに参加できます。さらにホストファミリーを通じて地域活動やボランティア活動にも参加できる機会が多いことで、これらの催しが十代の貴重な体験となることです。十代後半から二十代の参加者が多くを占める「大学留学」も意義のある留学プランですが、大学や大学院での就学は学問の履修と研究に重きがおかれるために、どうしても学校活動やホストファミリーと過ごす機会が減るため、文化交流の意義も薄れてきます。