前回のブログで書いた、萩生田光一文部科学相の国会内発言「大学受験に新規導入として予定されている英語外部試験利用について、受験生は身の丈に合わせて頑張って下さい」と発言されたことが日本の高校生を含んだ教育界全体に大きな波紋を広げています。
今回の大臣発言が国会内で野党から大バッシングを受けたこともあり、英語の外部試験の導入を見送ることになりそうです。突然の文科省の決定に、大学受験を控えた高校生と、同時に彼らが進学する大学にも混乱が発生しています。
これは、2021年1月開催の大学入試センター実施の初回となる「大学入学共通テスト英語教科」について「読む・聞く・書く・話す」で予定された4技能試験の中止。現行の通り、大学センターテスト方式の「読む・聞く」の2技能を測る英語入試を継続する検討を開始したと11月8日の新聞で報道されました。今後は、中教審で専門家を交えて話し合い、11月下旬までに正式な方針を決定するとのことです。
現行の大学入試センター試験の英語試験は「書く・話す」技能を間接的に測る出題形式も含まれているので、4技能を測る民間検定試験の導入は行われない意向で決まりそうです。従って英語の民間試験の導入は見送りということになります。
そうであれば大学入試改革を元から諦めて、現在の大学センターテストのままで良いのではないかという意見があるのも事実です。とにかく大学受験を控えた高校生のために早く国としての方針を示してほしいものです。
大学受験の外部試験利用
「自分の身の丈に合わせて」という今年度より導入された「英語の外部試験利用の大学受験制度」に際しての萩生田文部科学省大臣の発言が大学を受験する生徒やその保護者の反発を買っていることが報道されています。
萩生田相は、先日、大学入試に「英検やTOEFL」などの民間試験を使うことについて、議員の反町氏から「お金や場所、地理的な条件で恵まれている人が受ける回数が増えるので、それによる不公平と公平性に問題はないのか」との質問により見解を正された時にこの発言をしました。
英語の大学受験への英語の外部試験利用には、当初より賛否両論がありました。この外部試験は、受験料が高額なケース(一部の試験は1回の受験で2万円~3万円必要です)があることから、受験生の経済的な背景によってはそれを負担できない家庭があるとの声が上がっています。また、生徒が住む居住地の状況、例えば島嶼部や山間部に住む高校生はこれらの外部試験を都市部まで行かないと受験できないことが考えられ、都市部に住む高校生と教育機会の不公平が生ずるというものです。
今後のこの制度に対する取り組みの中で、文科省による受験料の経済的支援や軽減措置、どこでも試験を受けられる受験機会を増やす改善などが必要と思われます。
インターネットが普及した現代、オンラインによるCBTテストの開催を遠隔地の学校でも提供できる取り組みや、IPテストの利用などをこの対策として期待したいと思います。
広大接続改革について
1.大学入試において、英語資格・検定試験を活用し、英語4技能の評価を推進することの意義について
○ なぜ、大学入試で英語4技能を評価することが必要なのですか。
グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上が課題となっています。
このため、高等学校学習指導要領では、多様な人々と、互いの考えや情報を主体的に伝え合うため、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に育成することを求めてきましたが、高校3年生の英語力は特に「話す」「書く」に課題があることが調査結果から明らかとなっています。さらに、大学においても、グローバル化時代を担う人材を育成するためには、これら英語4技能の習得は重要です。
このため、大学入試において、高等学校段階までに育成した4技能の英語力を適切に評価することが必要です。このことは、高等学校において4技能をバランスよく育成する授業改善を一層進めることにもつながります。
○ なぜ、大学入試で英語4技能を評価するために、民間の資格・検定試験を活用するのですか。
大学入試は、高等学校段階で修得した知識や技能等を適切に評価することを目的としていますが、英語に関しては、約50万人規模で同一日程一斉実施型試験による共通テストとして「話す」「書く」能力を含めた試験を実施することは、日程面も含めて現状において実現は極めて困難です。
一方、民間の資格・検定試験は、4技能を総合的に評価するものとして社会的に認知され、高等学校教育や大学入学者選抜で活用が進んでいます。
(参考)
・大学生の高校生時の英語資格・検定試験の受験状況
約37%(約23万人(推計))(平成27年度文部科学省委託調査より)
・大学入学者選抜において英語資格・検定試験を活用している大学(平成27年度)
(国立大学)計28.0%、推薦入試17.1%、AO入試14.6%、一般入試7.3%
(公立大学)計22.6%、推薦入試16.7%、AO入試10.7%、一般入試1.2%
(私立大学)計39.5%、推薦入試30.7%、AO入試21.2%、一般入試6.4%
ラグビーワールドカップ&留学
ラグビーワールドカップ2019年日本大会が、9月20日より各地で開催されています。オーストラリアと、ニュージーランドに留学している高校留学生たちから、日本のラグビーチームの活躍の様子が現地で大きく報道されているというメールが届きました。
相変わらず強そうな世界チャンピオン、ニュージーランドのオール・ブラックス、オーストラリアのワラビーズも来日して、各地で事前練習を行いました。ニュージーランドは柏市で合宿を行い「ハカ」ダンスを披露した様子がYahooニュースなどで報道されました。迫力満点です。
現在、日本代表チームは、イングランド、スコットランド、アイルランドなどの強豪が揃うBグループ予選組み合わせの中で、ロシアチームを破って幸先の良いスタートを切っています。力強い応援のせいなのか日本チームのメンバーは生き生きとしたプレーをして、相当に強そうです。
このチームですが、日本人が半分、外国人が半分という布陣で「日本チーム」を名乗っているので、何か見慣れない雰囲気があります。とわいえ、試合の中で行われるキャプテンのリーチ・マイケルさんの必死なプレーなどを見るのに連れて、このチームに親しみが沸いてきました。10月13日現在ですが、スコットランドに勝利して予選を突破する勢いです。日本人と外国人がひとつになって戦う姿は、日本中に感動を届けているのは間違いありません。海外の高校留学生たちも、この結果を自慢できるかもしれません。
とにかく、がんばれ Nippon!
英検CBT★利用が広がる
英語の4技能を、1日でのコンピュータに受験で測定できるのが英検CBTテストが広がりを見せています。この試験結果が高校留学の申し込みにも利用できるようになりました。一昨年より開始されたこの試験は、一年中いつでも受験できる手軽さから急激に普及しています。現在のところ、2級・準2級・3級・準1級がパソコンで受験でき、大学入試英語成績システム(みなし満点制度)にも対応しているのが特徴です。
英語の4技能のスコア結果が一度に出て、合格級・スコア結果を留学考査や大学入試で活用できるというのが英検CBTのポイントで、広島テストセンターでも通年で試験が開催されます。テストの内容は、通常の英検と同じ検定試験で問題構成は通常の英検と同じです。
級の合格が認定され技能別スコアもでるので留学にもお有用です。英検と同じ試験として英語力の証明になりますが、パソコンが苦手な方には少し不利かもしれません。通常の英検は1次、2次と2回に分けて行われますが、CBTの合格の判定は、通常の英検(ペーパーテスト)と同じく、Reading、Listening、Writing のCSEスコア結果で一次試験の合否を判定します。そして合格者がSpeaking のCSEスコアに基づいた二次試験の合否が判定されるしくみです。主な特徴は1次試験の結果に関わらず、全受験者が4技能試験を受けて、この各技能CSEスコアを取得できるところです。
但しですが、英検CBTは4技能全ての受験なので特定セクションのみでの受験はできません。分かりやすく言うと、1免申請をして英検CBTに申し込むことはできないということです。英検CBTで、1次試験に合格、2次試験セクションに不合格の時は1免資格が付与されると当協会より発表されています。受験票は申込サイトからダウンロードできます。英検と英検CBTの合格証は同じものなので安心です。今後は高校留学や大学留学の英語能力判定にも利用されると予想しますに、海外の英語研修留学で、英検の就学コースができる可能性があります。
ソウルの韓国語短期留学
いよいよ夏休みに入りました。エース留学センターが主催する海外短期留学プログラムも真っ盛りです。多くの生徒が留学の目的地に向かって出発しました。今年より新規に取り扱いをはじめた「高校生のサマー韓国留学」には広島市より3名の高校生が参加しました。
今年は、韓国の文政権下で起きた様々な政治的出来事から、韓国人の対日感情、日本人の対韓感情が悪化をしています。韓国と日本の関係は、戦後最悪だと報道されています。こんな状況で「韓国留学が高校生に大丈夫か」という保護者と関係者の心配の中、ソウル市内の建国大学校で開催される韓国語留学プログラムに生徒たちは元気で旅立っちました。
この建国大学校にある言語教育院ですが、ソウル市内東地区にある本学校内に1905年に併設された教育機関として有名です。1998年からは、外国人のための韓国語&文化教育課程がスタートして、毎年コンスタントに3500名以上の留学生が韓国語学習のために留学しているといわれています。このコースは経験豊富な講師による授業が好評で、日本からも多くの留学生が参加しています。
高校生の年令でも入学できることから、夏のコース留学は極めて人気があります。この韓国語指導内容ですが、話す、聞く、読む、書く、発音が重点的に学べることが好評です。さらに様々な文化アクティビティも開催されています。滞在は学生寮で食事が付いているので安心して留学ができます。
政治的に困難な時期だからこそ日本の若者が韓国を訪れることに意義があり、現地の人々と交流を続けることは重要なことから、高校留学生にはぜひ現地で頑張ってほしいと望んでいます。
<建国大学講堂写真>
もうすぐ夏休み
今年も暑い毎日が続いています。夏休みもすぐそこ、学生の皆さんは夏に向けて試験週間で忙しい季節を迎えていると思います。
関東地方でも、既に気温が30度を超える暑い日々が続いています。今年の夏は例年以上に暑く、この暑さは9月まで続くと気象庁の長期予報では発表されています。とはいえ、来年の7月には「2020年-東京オリンピック」が開催されるので、この夏の暑さは気になるところです。
この暑い夏!こそ、オーストラリアのタスマニアや、ニュージーランドのクライストチャーチ語学留学をお勧めします。日本の夏時期は、南半球は冬の時期です。これらの都市の実際の気温は摂氏15度~20度くらいなので、朝晩を除けば過ごしやすい毎日です。オーストラリアでは雪はほとんど降ることはありませんが、ニュージーランドの山岳地域、例えばマウント・クックでは雪が積もってスキーができます。さらにロトルアやタウポでは温泉が出るので、楽しい冬を過ごすことができます。ちなみに、ロトルアは大分県の別府市と姉妹都市提携を結んでいます。
イギリスやスイス留学も良いでしょう。地形的に日本より北に位置するので夏でも日本より涼しいことからお勧めします。最近は異常気象の影響で、イギリスのロンドンでも一昨年の夏のように30度を超えることがあり、スイスのジュネーブでも25度を超えることがあると報告されています。
逆に、暑い時期にこそ、暑い地域、例えばカリフォルニアのサンデイエゴなどがお勧めかもしれません。サンデイエゴはカリフォルニア州の南の都市で、メキシコの国境の町です。気温は高いのですが湿度が低いので過ごしやすく、割と爽やかなので留学生には大変好評です。
さあ、留学の季節が到来しました。今年こそ、世界に留学して友達を作りましょう。
2019年★夏の留学プログラム
今年の7月、8月に外国で開催される、エースの「夏休み留学プログラム」が発売されました。今年のプランは、アメリカの「パソコンIT技術と英語を学べるスペシャル・プラン」、カナダ、オーストラリアで開催される「語学研修と現地観光プラン」、ニュージランドの高校カレッジで開催される「短期の高校生活体験留学」に加えて、韓国のソウル建国大学で開催される韓国語をマスターする語学留学があります。
エースが提携する海外の学校の中から好きな都市を選んで参加できるので大好評です。申込み手続きは簡単ですので、まず希望の国と都市のプログラムについてお問い合わせ下さい。特典として、出発前の英会話レッスンへの無料参加や事前のオリエンテーションプログラムも充実しています。広島、名古屋、高松センター、その他代理取り扱い店でも申し込みを受け付けています。夏休みの直前まで申し込みを受け付けますのでお気軽にお尋ね下さい。
この短期留学は「本格的な異文化交流を体験したい!」「外国人の生徒と仲良くなり友人になりたい!」「短期で英語の上達を目指したい!」とお考えの生徒さんにぴったりな催しです。14歳以上で参加できるインターナショナルな環境で現地活動できるプログラムです。さらに、将来本格的な留学プログラム、例えばアメリカ高校交換留学や、オーストラリア高校留学、さらに高校卒業後の大学留学などを目標にしている方にも最適です。なぜなら、短期間で現地生活のノウハウが身につけられ留学のイメージを得ることができるからです。
エースの短期留学プログラムに6月中にお申し込みの方には10%の事前参加費用割引があります。さあ、ぜひ今年の夏は海外で過ごしましょう。
「令和」、平成から変貌する留学
昭和が終わり、平成元年から31年が経って新しい時代「令和」へ元号がかわった今、留学プログラムにおいてもひとつの時代の終焉を感じずにはいられません。
平成が始まった頃は、未だパソコンソフトWindows95が発売される前で、ネット通信環境であるISDNが整っていませんでした。通常の外国との通信は、民間ではファックスで行うことが多く、一回ずつワープロで作成した文章を送信してはそれを呼んで返答するという現代と比較すると効率の悪いやり取りでした。
アルバイトができる文化交流であるワーキングホリデーは豪州が提携を結んだばかりで、海外滞在型の異文化交流プログラムとそれを受け入れる協定国は限られていました。アメリカの高校生交換留学生制度も、受け入れ団体が AFS、YFU、PEACEなどの実績団体に限定されて数が少なかったことを覚えています。
平成の30年間は、プログラムが多様化して多くの国への留学機会が広がりました。さらに中国留学やフィリピン留学など、アジア方面の留学プランも広がりを見せて多くの方が参加をしています。
令和時代は、現在の留学プログラムがより多様化して、受け入れ先として有望なタイ、台湾、シンガポール、マレーシア、UAEで行われる外国語や英語研修、さらに発展目覚しいインド、ベトナム、バングラデッシュ、モンゴルなどへの留学参加者が増加するものと予想されます。さらに、英語が話されている南アフリカ、コンゴ、ケニア、マダガスカルなどアフリカ諸国への留学やワーキングホリデーも普及する可能性があります。
令和30年には、どのような社会になり、高校留学や大学留学、そして語学留学が変化するのか、ぜひこの目で確かめたいと思います。
ニュージーランドのテロ事件
先月、驚愕のテロ事件がニュージーランドで発生しました。日本から毎年多くの留学生が訪れるニュージーランド南島の美しい都市クライストチャーチ市内のモスク(イスラム礼拝所)で50人が死亡した銃乱射テロ事件は世界中に衝撃を与えました。実際には現在まで、このような犯罪はヨーロッパ諸国、アメリカ、南米や中近東諸国で発生することがメデイァでは報告されていました。
今回の事件の犯人は28歳のオーストラリア人とのことで、捜査当局は男が合法的に銃を入手して犯行に及んだとアナウンスしました。世界中で安全な国のひとつといわれるニュージーランドで、このような凶悪事件が発生することを誰も予想をしていませんでした。
今回の事件は「絶対に安全といえる留学先は存在しない」という教訓を残しました。この認識を留学生本人、保護者、そして留学エージェントが共有すべき現実が突きつけられたようです。
ニュージーランドのアーダーン首相は事件翌日の記者会見で、男はニュージーランドの定住者ではなく世界中を転々としている者だと指摘しました。しかし問題は、そのような男がニュージーランド国内で銃を簡単に保有できたことです。犯行には5丁の銃を使われており、その武器の保有を許容したニュージーランドの武器所有制度に問題があるという意見があるのは否めません。さらに、犯人が警察当局の要注意人物リストにも入ってなかったという状況は、犯罪を行う可能性のある者をリストアップする情報不足が露呈されています。
これから海外に留学する方々は、どこの国に渡航するとしても安全に留意した海外生活を送ることが重要です。日本は春を迎え、本格的な留学シーズンに入るので、留学渡航者自身で自分を危険から守るという意識を高めていきましょう。
大学センター試験の終焉
平成最後の年である平成31年も、3月に突入して、中学校、高等学校、大学で一斉に卒業式が行われるシーズンに入りました。先月末に行われた国公立大学2次試験(個別学力検査テスト)の終了で、今年度のほとんどの大学入試も終わりました。そして春が来れば、いよいよ入学式が行われる季節に入ります。
ところで、これまで私たちが親しんできた「大学センター試験」制度も終了を迎えて、平成32年度からは、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と文部科学省が示す新方式の大学入試が導入されます。この試験は、現在予備校などの教育機関のサイトで「大学入学共通テスト」と称されています。
新方式の大学入試では、現在までのマークシート式が主流であった問題形式から「知識の理解と思考、判断力、そして表現力を重視した内容」の、記述式問題を多く含む試験になります。英語教科では「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を評価する民間資格、検定試験の活用も示されています。特に英語の国際能力基準であるCEFRとの対応関係について一定の思慮の元でカリキュラムレベルが取り入れられる、ある意味画期的な取り組みが行われていると言えます。
今年は、新方式テストに関する検証と試行調査のためのトライアルとして「プレテスト」が実施される模様です。平成の終わりとともに大学入試も大きく変化していくことになります。