ところで、オバマ大統領の演説は、常にスピーチ・ライターが執筆してると言われます。大統領と、大統領側近、事務方などで慎重に内容が協議されて、それに応じて文章の内容をおさめるのは難しい仕事でしょう。その時々の社会的な状況に応じた内容の演説を行うことが大統領の大きな役割でもあるのです。
広島の平和記念公園で行ったスピーチを執筆したのは、ホワイトハウスのローズ大統領副補佐官が務めたといわれています。しかし、これを否定するように、ローズ福補佐官は5月31日に自身のブログで、オバマ大統領による手書きスピーチ原稿の写真を公開して、大統領自身が広島でのスピーチ原稿を書いたことを強調しました。
ローズ氏によると、今回のサミット直前に訪問したベトナムで、オバマ大統領はこのスピーチ原稿に何度も手を入れていたと明かしています。ホワイトハウスの当初のアナウンスではは短い内容で所感を述べるにとどめると発表されていましたが、実際には17分間の長いスピーチになっていました。「被爆地を訪れた最初のアメリカ大統領として、核兵器のない世界と平和構築への道について話すことができた」と文章で振り返っています。広島から発したオバマ大統領のスピーチは、歴史に残る内容のメッセージであったことは確かです。