最近、日本の政府各省庁がAIS-自動翻訳機の導入を本格化していると報道されています。現在のAISは、留学生も驚くTOEIC900点レベルとの事です。精度が日々向上しているので、近いうちにTOEICの満点に近づくでしょう。
総務省が、政府機関全体でAIS導入に向けて動き出しています。2020年東京オリンピックに向かい、観光の通訳、入国管理業務、警察消防署、医療施設などで活用を想定しています。
この翻訳に使うのは、NICT(情報通信研究機構)が開発したスマートフォン用アプリ VoiceTra-ボイストラです。日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語など31言語間の翻訳ができ、このうち14言語は既に音声対応ができるとのことです。使い方は簡単で、スマートホンに日本語で話しかければ指定の言語に自動翻訳されて、スマホから音声が流れるしくみです。
このボイストラですが、2010年に初期型が完成していました。当初は単語が複数並ぶと翻訳精度が落ちて翻訳時間も10秒以上かかっていました。近年は人工知能によるデイープラーニング技術で精度が上がったといわれます。このボイストラは無料公開され200万回以上ダウンロードされています。
こうなると「日本人が英語を学ぶ必要があるのか」という疑問がでてきます。スマホがあれば、英語能力は不要になるという意見もあるかもしれませんが、そうではありません。
翻訳機械が高度なレベルで英語を翻訳する時代こそ、より高度な英語力を日本人は持つ必要にかられます。例えば、自動計算機が世に出た時と同じで、多様な自動計算ができる機械が世に出たことで計算技術が不要になった事実はなく、逆に私たちはより高度な算数能力が必要とされるようになり、それを効率よく進めるために計算機を利用することを覚えています。