外国の高校の卒業資格
高校卒業と一口に言っても国によって卒業条件は異なります。イギリスのように「卒業」という制度がない国もあります。 近年、特に気をつけたいのはオーストラリアやニュージーランドの大学進学検定制度 NCEA-L3の達成、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の高卒認定資格HSC取得を一定の成績で完了してないと、 日本の大学の帰国生入試に出願が認められない場合があることです。
英語力も重要です。慶応義塾、早稲田、上智各大学の英語資格についての合格ラインは TOEFL iBT 90~100点、IELTS 6.5点のレベルなのでこれに届かない生徒は学部によって入学が困難になります。 こういう状況から留学先を決めるときは、渡航先国の教育制度と参加者自身が到達すべき英語力を充分に考慮することが求められます。
高校卒業の認定制度は国により違う
国によって、またカナダやオーストラリアにように同じ国でも州や地域が異なると卒業認定基準が違うので高校修了に要する留学期間が変わります。
例えば、高校教育の進級認定が履修科目の受講時間を中心とした「単位制」なのか、検定試験を設けて理解達成度を計る「評価制」なのかによって卒業要件が異なります。 前者はアメリカ高校教育、後者はイギリス中高等教育が代表的なものといえます。 高校留学は英語学校へ留学する「語学研修」とは違い、現地の高校教育を受けるのに足りる英語力を持ってないと授業への参加を許可されない科目があったり、そのために進級が遅れることになります。
英語力は留学の成否に係わる重要な要素です。これから高校生留学に参加をする方は、現地の高校入学迄に充分な英語力を付けるようにして下さい。 留学に際しては、外国の教育システムの理解と自身の将来の大学進学を視野に入れて準備を進めて下さい。
知っておきたい高校卒業資格
●アメリカ高卒資格
高校修了者には HSD(High School Diploma)が授与されます。中学3年~高校3年の学年で98単位以上の履修が必要です。アメリカ史、州史(例:カリフォルニア州では2年生時に必修) で卒業資格取得に欠かせません。大学進学を希望する場合は別途に大学進学検定である SAT、ACT 受験が必要です。この検定は州立2年制カレッジ進学生には免除されます。 卒業未了の学生もカレッジに入学でき、GEDコースで高卒資格を取ることができます。
●イギリス高卒資格
規定科目の履修検定制度により、高校では「卒業」という制度が存在しません。6thフォームでの科目選定が重要とされ英国教育省の定める大学進学統一試験を受験して、 その結果で高校修了としてUCAS基準により大学へ進学します。統一試験は通常GCEと称されますが、留学生は HND、I-GCSEに置き換えて受験することが可能です。 この検定で Aレベル3教科+Oレベル5教科への合格が必要です。高校規定科目が未達の生徒には Leaving Certificateと呼ばれる履修教科単位証明書が発行されてカレッジ、ポリテクに進学します。
●カナダ高卒資格
高校修了者には HSD(High School Diploma)が発行され、これが高校卒業になります。各州で卒業履修科目は厳格に定められています。例えば、ブリテッシュ・コロンビア州では 「コース単位制」での62ユニット認定が必要で、規定に沿って学ばないと、Doogwood Diploma と呼ばれる正式な卒業証書をもらえません。留学生も、 最終学年では英語(またはコミュニケーション英語※注:正式な英語単位と相違)の学科登録と、BC州カリキュラムである社会人生活講座の検定コースが必修です。 卒業教科全てを履修できない場合は公立カレッジで補講を受けることが出来ます。
●オーストラリア高卒資格
高校修了者には HSC(Higher School Certificate)、南オーストラリア州は SAHSC(South Australia Higher School Certificate)が発行されます。 州毎に規定された卒業単位の獲得(通常3年間で80単位以上)と認定試験の合格が必要です。 オーストラリア史と州史は必修科目です。 卒業教科全ての履修が出来ない場合はTAFEカレッジで補講を受けることが出来ます。
●ニュージーランド高卒資格
バーサリと呼ばれたNZ独自の卒業資格は15年前に終了したためにこの国の「卒業」という制度はなくなりました。現在は教育省NZQAが定める大学進学統一検定NCEAが高校卒業認定とされています。 卒業単位の履修(3年間で日本の単位換算90単位相当)の取得と、NCEA試験 Level_2&3 の合格が必要です。卒業教科全てを履修できない場合は公立カレッジで補講を受けることが出来ます。
●ヨーロッパ諸国の高卒資格
国際バカロレア検定資格 Internationa Bacalolare、ドイツ Abitor などが高校卒業資格として世界中の大学で認定されています。 欧州各地のアメリカンスクールで学んで卒業する生徒にはHSCが授与されますが、大学進学にはACT、SATが必要です。場合により Leaving Certificate と呼ばれる履修教科単位証明書が発行されてそれを高校修了証明とする場合があります。
外国の高校卒業には英語力が最重要
外国の高校教科の内容は、日本の高校で習う科目の内容と大きな差はありません。学問レベルで考えると理数系科目は日本が先行している部分があります。 もしも日本の進学校の「英語が得意」な学生を世界中の高校に派遣すると、どこの高校でもクラスのトップグループに入ることができます。 この「英語が得意」というのは英検準1級レベル。「英検2・2A級」レベルでは充分ではありませんが、海外の高校の授業についていくことは努力によって可能になります。 実際に高校交換留学には、英検2級の参加者がおられて充実した成果を上げています。
日本人の高校生が外国の高校を卒業するのに重要なのは ①英語力 ②学力です。真剣に英語を勉強すれば高校生の年代に英検準1級の合格は難しくありません。 エースが活動拠点のひとつとする広島県では、年間300名程度の英検準1級以上の高校生合格者が出ています。特に優秀なのはAICJ中学・高等学校で、 英検1級を含めて年間160名以上が合格しているのは賞賛に値します。英検優秀校としては、沖縄尚学高校や筑波大学付属高校など全国にあります。 英語は修得への道のりは長い教科ですが「やればできる教科」なので、頑張って留学に活かしましょう。
英語の学修のコツは地道に勉強を続けることです。今、英語が得意でない方は、英検の「文単」「出る順」シリーズの低い級から学習をスタートして下さい。
これらは二言語型(英語と日本語)の優良な普及教材で英検の上位級までを無理なく学べます。この教材を中心に英語を学んで英検1級に合格したり、TOEIC 900点を達成した生徒は
数多くいます。
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英文法が理解できる生徒は、英語のみならず国語もできる生徒です。基礎を学んだ上で、ETS、Cambridge、Longman 出版の原書教材で英語を学べば、
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